尋常性白斑治療の特徴
ご自身の色素を採取・培養して大きな皮膚シートにし皮膚移植による治療を行います。
白斑患部を正常な肌の色と馴染むように治療します。大学病院から技術提供を受けて可能にした培養移植術で、メラノサイトを保持したままの自家培養表皮を用いるのが特徴です。
この治療は都立大院限定メニューです。
ご予約の際はお間違いの無いよう
ご確認ください。
こんな悩みはありませんか?
- 紫外線治療(光線治療)を何年も受けている
- 紫外線治療(光線治療)では効果が実感できない
- 光線療法での効果が不十分だった
- 治療期間が長く、費用が負担になっている
- 治療のための通院が負担になっている
- 遠方の通院を負担に感じている
- 白斑の範囲が大きい
- 白斑が広がるのが心配
- なかなか改善しない白斑治療がストレスになっている
- ミニグラフトなど他の移植法の仕上りに満足していない
- 移植手術の採皮の負担を軽減したい
尋常性白斑は、皮膚に色素の一部が脱色された部分が見られる難治性皮膚病。
症状としては、体の神経支配領域に関係なく全身の広範に白斑が生じる、尋常性白斑の半数以上を占める「非分節型尋常性白斑」、神経支配領域に沿って、体の片側だけに白斑が生じる「分節型尋常性白斑」、最初の発生では、体の片側だけに白斑がみられ分節型だったものの、徐々に全身に症状が広がる場合もあります。
日本皮膚科学会が策定した「尋常性白斑のガイドライン」に記載のある治療方法では下記の4つがあります。
<尋常性白斑の治療方法>
- 塗り薬(ステロイドなど)
- 紫外線療法(光線治療)(エキシマライトなど)
- 飲み薬(ステロイドなど)
- 外科的治療(皮膚移植などの手術)
尋常性白斑治療のガイドライン
社団法人日本皮膚科学会HPより
出典 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa20/s1_q10.html
15歳以下の場合
治癒の可能性があるため、ステロイドやビタミン外用で経過観察
16歳以上の場合
外用に加えてエキシマを使用して経過観察
移植/植皮治療を選択する理由
- 尋常性白斑は自然と治ることはない(小児のものは自然治癒もまれにある)
- 外用薬、紫外線治療(光線治療)を治療の第一選択となるが、長期化する傾向がある
- 尋常性白斑は皮膚の色を構成するメラニンを生成するメラノサイト(色素細胞)が消失、減少する後天性の病気である。
- メラノサイトが死滅していた場合は移植以外に回復できる方法は無い
一般の皮膚科などでは外用薬、紫外線療法(光線治療)、飲み薬で治療を行いますが、紫外線療法(光線治療)を一週間に1~3回×6か月間、または60回の照射を行うことが一般的となっています。
また場合によっては100回以上の照射が必要になることがあり、週に1、2回の頻度で照射を続けて1年以上の通院が必要になるため、治療が長期化することがあり治療に限界がありました。
紫外線治療(光線治療)を10回照射しても反応が全く無ければメラノサイトが健在である可能性は低いため、紫外線を浴び続けることによる患者さん自身の健康や皮膚への悪影響が考えられます。
効果が出ていないのにむやみに紫外線治療(光線治療)を繰り返すのは避けるべきです。
経過観察後、改善が見られない場合は
移植/植皮処置を選択
白斑培養表皮移植施術
培養表皮移植治療を選択する理由
植皮・外科的治療としては、白斑の部位を削って体の他の部位の皮膚を移植する方法が行われてきました。
①分層皮膚移植:他の正常な部位の皮膚を薄く剥がして白斑の部位に移植。これは剥がした部位に同じ大きさの傷がつき、移植する部分と皮膚の色合いと質感が異なることがあります。
②ミニグラフト移植:他の部位から皮膚を採取して細かく細片にしてそれを1㎜単位で移植する。この方法は敷石状、水玉状の外観になります。
③メラノサイト含有水胞移植:の部位の色の付いた皮膚を吸引して水疱(みずぶくれ)を作製して、できた水泡化した表皮を移植する。この方法は水胞を作る部位の傷はほとんどありませんが、色素の付き方が安定していません。
これらの移植方法が行われてきましたが、移植した皮膚と植えられた側の皮膚の色調が異なる、正常部分と白斑の境目が目立つ、点状に色が付くなどなかなか整容的に良い結果が得られませんでした。
培養表皮移植治療の特徴
培養皮膚移植では、白斑患部を正常な肌の色と馴染むように治療します。
大学病院から技術提供を受けて可能にした培養移植術で、メラノサイトを保持したままの自家培養表皮を用いるのが特徴です。
ご自身の色素を採取培養して大きな皮膚シートにして移植を行いますので、良好な色馴染みが期待でき、少量の皮膚採取から大きな皮膚を作成できるため、患者さんの身体への負担も軽減されています。
紫外線療法やミニグラフト法では満足な結果が得られない白斑患者さんにも向いています。
メラノサイトを保持した培養表皮移植
自身の正常なメラノサイトを保持する
患者さんご自身のメラノサイト保持には大きな意味があります。
メラノサイトとは、簡単に言うと「肌の色素」です。
ご自身のメラノサイトを保持できないタイプの移植をしても、白斑の病変部とその周囲と色が馴染まないという事例が報告されています。
普通の皮膚移植で満足な結果を得られなかった方が一定数いらっしゃるのはこの理由です。
つなぎ目の肌の色が過剰に濃くなったり、逆に色が広がらなかったりして結果的に仕上がりがまだらになるのです。
ご自身のメラノサイトを保持したままの培養表皮を移植すれば、もともとこの細胞はご自身の色素も含めて培養していますから、均一かつ色馴染みが良いわけです。
良好な皮膚の色調も期待されます。
細胞採取時のお体への負担が少ない
かつての培養しないタイプの皮膚移植では、白斑部と同等の面積の皮膚を切り取る必要が生じてしまい、日常生活に支障をきたすほど負担の大きい手術でした。
当院の培養表皮による方法では、身体のほんの少しの皮膚を採取し培養して細胞を増やすことで、とても大きな表皮を作成することができます。
また、身体の中でも目立たない部分から採取します。採取する細胞が少なく済むため、患者さんのお体への負担が少なくなるのです。
広い面積の治療に向いている
採取した皮膚を網の目状に切り込むことで、皮膚を伸びるように工夫して、少ない皮膚から移植に必要な皮膚の面積に拡大します。
「疾患範囲が大きい」または「疾患部位が多い」場合には、治療までの費用的負担および時間的負担を軽減できることになります。
メラノサイトが含まれる後天性白斑に向いている
培養皮膚移植の場合、移植片にメラノサイトが含まれているので、尋常性白斑などの後天性疾患や限局性白斑といった後天性疾患の治療に有効な治療方法となります。
再生医療研究の盛んな大学病院の技術を導入
聖マリアンナ医科大学教授にご監修いただき、同レベル治療が銀座よしえクリニック都立大院で行えるように整備致しました。
遠方の病院に通院する必要がなく、立地の便利な診療所へのご通院だけで済むため、患者さんにとって負担軽減のメリットがあります。
CPC(細胞プロセッシングセンター)完備
厳格な基準をクリアしたクリーンルーム
銀座よしえクリニック都立大院CPCの様子
尋常性白斑治療の施術の流れ
- STEP 1診察、血液検査疾患面積を計測します。
- STEP 2採皮(1cm×2cm程度)縫合した場合は1週間後に抜糸を行います。
- STEP 3皮膚移植縫合した場合は1週間後に抜糸を行います。
注意点
培養した表皮を採取から3~5週間後の期間に、皮膚移植にお越しいただくようお願いしております。
それより早いと未増殖で表皮が完成せず、逆にそれ以上遅れますと増殖が進みすぎて移植に使えなくなってしまいます。
培養のスピードにも個人差があります。
- STEP 4再診・ガーゼ交換移植後は状態に応じて複数回ご通院いただきます。
注意点
移植後も定期的な通院が必要になります。必ず指示通りの日程で来院してください。的確な診察・処置を受けなければ、良い結果が得られません。
また、治療過程や結果には個人差があり、通院の回数やタイミングは医師との相談になります。
採皮、植皮の後は創部をガーゼやテープで保護していきます。
その上から防水テープを貼ることで、施術直後よりシャワー浴や洗顔が可能です。
尋常性白斑治療のメリット
- 自身の正常な部分の色を再現できる
- 採取する細胞を少なくできる
- 大きな培養表皮を作成できる
尋常性白斑治療のデメリット
- 培養した表皮は使用期限がある
- 移植後のダウンタイムがある
- 尋常性白斑以外の種類の白斑には向かない
尋常性白斑治療の施術詳細
- 施術時間30分〜180分(範囲による)
- 入院なし
- 術後の通院術後も2~3回は要通院し処置が必要
- 麻酔局所麻酔が必要
- 術後の腫れ1~4週間
- シャワーシャワーは当日可。
入浴はガーゼ保護中不可。 - 洗顔要経過観察
- メイク要経過観察
- 診察当日の治療不可、要血液検査
症例モニター募集中
当クリニックでは、「ホームページやパンフレットで、写真をもっと見たい」という患者様の声にお応えして、症例モニターを募集いたします。
条件つきましては、ご来院後に詳細に説明させていただきますのでスタッフにご相談ください。
※すべての方がモニターの対象となるわけではございませんので、ご注意ください。
※症状が当該治療のモニターに適しているかというところから診断させていただきます。
※当院のモニター制度は「効果測定」を目的としており「患者さんにご協力いただく」位置付けです。そのため、症状の違いから要する回数に差が発生します。
※最低1クール決められたペースでご通院いただける方に限ります。
※その他、詳細な条件に適合し全てにご承諾いただいた場合に限ります。
尋常性白斑治療のQ&A
- 尋常性白斑の読み方を教えてください。
- 「じんじょうせいはくはん」です。別名はしろなまず(白癜)
- 白斑の原因は何ですか?
- 尋常性白斑の原因ははっきりとわかっていませんが、皮膚のメラニン色素を作っている細胞(メラノサイト)に対する免疫系による攻撃が関わっていると考えられます。過度のストレス、やけど、日焼け、刺激などによる自己免疫疾患や抹消神経系の変化などが考えられます。
- 白斑は遺伝しますか?
- 尋常性白斑であれば遺伝しません。後天性の病気です。
尋常性白斑以外の白斑・白皮症の一部に、遺伝子疾患が原因で先天的にメラニンが欠乏する病気があります。 - 白斑は日焼けした方がいいですか?
- 日焼けをすると白斑が目立つだけでなく、色素を落とそうとする力が働くので、色が抜けることがあります。日焼け止めを塗って日焼けをしないようにしましょう。
- 白斑は自宅で治療できますか?
- 尋常性白斑は、治りにくい皮膚の病気の一つと言われていますが、軽度であれば自宅で治療できる場合があります。
自宅でおこなう治療方法としてはステロイドやビタミンD3などの外用薬が一般的です。いずれも皮膚科医の指導に従って使用します。 - 尋常性白斑の症例写真は見られますか?
- 下記からご確認いただけます。
尋常性白斑の症例写真はこちら - 白斑になった部分に白髪が生えていますが、どのような種類ですか?
- 色素細胞が作られないことが白髪の原因となっています。尋常性白斑はその部分の色素細胞が作られませんので、白斑が頭部まで広がる場合は、生えてくる髪にも色がつかないというわけです。
- 白斑治療の名医を紹介していただくことは可能ですか?
- ご希望がございましたら連携している大学病院をご紹介いたします。
当院でも大学病院と同等の白斑の最新治療*が受けられます。 *2020年7月現在 - 白斑の最新治療を教えてください。
- 2020年7月現在「メラノサイトを保持した自家培養表皮移植」が白斑の最新治療です。紫外線治療(光線治療)では100回以上照射してもほとんど色が付かない難治性の白斑であっても、最新治療によって良好な結果が得られるようになりました。
尋常性白斑治療の症例
培養表皮移植による白斑治療
都立大院 30代女性
1ヶ月後治療中の症例です。
次第に周囲の色と馴染んでいき境目がなくなっていきます。
培養表皮移植による白斑治療+エキシマライト
都立大院 20代男性
他の病院でナローバンドを照射しても効果がなく、ミニグラフトとオペをしたが効果がいまいちだったとのことで当院にご来院されました。
当院では頚部の培養表皮移植手術を実施。
オペ後2週間の圧迫固定(1週間は頚椎カラー固定)。
移植したメラノサイトの色付けを早く促進させるために患部の光線療法も開始しました。
順調にご自身の正常な色素が広がり白斑患部との境目がぼやけてきています。
培養表皮移植による白斑治療+エキシマライト
都立大院 10代男性
他の病院でエキシマライト照射&ステロイド療法を半年以上行ったが効果が見られず、当院の培養表皮移植を希望されご来院されました。
当院では右下腿の培養表皮移植手術を実施。
植皮1週間後の再診で一部感染症状と生着不良が発生し1ヶ月後の再診では発赤と掻把痕を認めリンデロン外用にて処置しました。
手術1ヶ月半後には発赤改善傾向であり、移植したメラノサイトの色付けを早く促進させるために患部の光線療法も開始しました。
順調にご自身の正常な色素が広がり白斑患部がほとんど目立たなくなっています。
培養表皮移植による白斑治療+エキシマライト
都立大院 30代 女性
上下口唇白唇部、頸部正中に白斑あり。
過去に光線療法経験のあり。まずは下口唇部の培養表皮を実施。
その後当院でエキシマライトにも週1で通って頂き、改善がみられている。